痔ではなく大腸がんの可能性

肛門からの出血には痔ではなく大腸がんの可能性があります

肛門からの出血には痔ではなく大腸がんの可能性があります肛門からの出血の原因は、痔の病気以外にもあります。近年増加傾向にある大腸がんの症状にも、肛門からの出血や便に付着した血液という症状があります。肛門からの出血を「痔だろう」と放置してしまうと、末期がんになって命にかかわってしまう可能性もあります。一般的に、痔による出血は鮮やかな色であることが多く、大腸がんによる出血は黒っぽい傾向がありますが、これが当てはまらない場合もあります。
また、肛門からの出血を起こす病気には、潰瘍性大腸炎やクローン病があります。このふたつの炎症性腸疾患は難病指定されており、早期発見と適切な治療、状態のコントロールが特に重要な大腸疾患です。
肛門からの出血があった場合、できるだけ速やかに消化器専門医を受診し、正確な診断を受けて適切な治療を受けることが不可欠です。当院の院長は、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医であり、大腸がんをはじめとする大腸疾患の豊富な治療経験を積み重ねてきておりますので、まずはご相談ください。

大腸がんの検査が必要なケース

  • 肛門から出血した
  • 血液が混ざった便が出た
  • 便が黒っぽい
  • 下痢や便秘になりやすい
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 最近になって便秘するようになった
  • 強い便意があるが、少量の下痢便しか出ない
  • 便秘で浣腸しても排便できない
  • お腹が痛くなることがよくある
  • 便が細くなった・ダイエットしていないのに体重が急に減ってきた
  • 血縁者に大腸がんや大腸ポリープになった方がいる

上記は大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病など、深刻な大腸疾患によって起こっている可能性があります。

大腸がん発見のための検査

便潜血検査

便潜血検手軽で安価なことから、大腸がん発見のために定期健診などでも行われている検査です。これは、便に血液が含まれていないかを調べる検査です。大腸がんや大腸ポリープがあると、便が通過する際にこすれて出血を起こすケースがあり、その場合には陽性になります。ただし、痔など大腸がん以外の大腸疾患によって出血が起こっている可能性もかなり高いため、確定診断には内視鏡検査が必要になります。また、早期の大腸がんなどではこの検査で陰性になってしまうこともしばしばあります。
早期の大腸がんを見逃す可能性があるとはいえ、陽性である場合にはなにかしらの原因によって出血を起こしているわけですから、受診して精密検査を受ければ適切な治療が可能になるというメリットがあります。そのため定期健診で定期的にこの検査を受けるメリットは十分あると言えます。

直腸診

ゴム手袋をした指を肛門に挿入して、直腸付近の状態を触診するもので、直腸指診とも呼ばれています。直腸にがんがある場合には、出口付近にできるケースが多く、がんの早期発見につながる可能性がある検査です。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

最も精度の高い検査方法で、自覚症状がなく、便潜血検査で陰性になってしまうような大腸がんを早期発見できる唯一の検査です。早期発見と適切な治療で大腸がんは完治できる病気です。また、大腸の粘膜をすみずみまで直接観察できますので、前がん病変である大腸ポリープも発見できます。なお、ポリープを発見した場合、検査中の切除も可能です。ポリープの段階で切除してしまえば大腸がん予防になります。また、特有の病変を有する潰瘍性大腸炎やクローン病の確定診断にも大腸内視鏡検査は有効です。
検査は、事前に下剤を服用して腸内をきれいにしてから行います。先端に小型カメラがついた内視鏡を挿入して観察しますが、当院では経験豊富な日本内視鏡外科学会技術認定医が、不快感を最小限に抑える配慮や工夫を取り入れた手法で丁寧に検査をしていますので、驚くほど楽に検査を受けていただけます。

大腸内視鏡検査について詳しくは