大腸ポリープ切除の日帰り手術
大腸ポリープとは
ポリープとはイボのような突起物を表す言葉で、大腸ポリープは粘膜が隆起してできた組織です。40歳を過ぎるとポリープができやすくなるといわれています。
大腸ポリープは大きく腫瘍性と非腫瘍性に分けられ、腫瘍性のポリープの一部はがん化して大腸がんになります。また、良性とされているポリープでもある程度サイズが大きくなるとがん化するリスクが出てきたり、単発では問題なくても多発するとがん化のリスクが出てくるものがあったりと、サイズや形、その他の条件によってがん化のリスクが変わってきます。
内視鏡検査時に切除ができる
ポリープの段階で切除することは大腸がんの予防につながる有効な治療です。大腸内視鏡検査の際に、発見と同時に切除する日帰り手術も可能です。ただし、あくまでも手術ですので、術後1週間程度は生活上の制限があり、安静期間、術後の経過観察が必要になります。まれに出血や穿孔が起こることがあります。
切除を行う可能性がある場合には事前に同意書をいただき、術後の制限などについてもご説明させていただきます。検査後、改めて手術の日程を取らなくて済むためお忙しい方でも短時間で治療を受けていただける便利さはありますが、逆に制限の関係上、出張や旅行を控えている、スポーツイベントなどが予定されているような場合には、検査同日に内視鏡的治療を行わないか、制限時期がイベントに重ならないよう検査(手術)日のスケジュールを調整する必要があります。
大腸ポリープの切除について
大腸内視鏡による切除は早期のがんや前がん病変ポリープに対して行われます。
小さなポリープはスコープの先につけた鉗子でつまんで高周波電流を流して焼き切ります。
球形や茎を持つポリープは、スコープの先に装着した高周波スネアというワイヤーでポリープの茎部分を縛り、高周波電流で焼き切ります。
膨らみがない平坦なポリープや、かなりサイズの大きなポリープの場合には、注射器でポリープの下に生理食塩水を注射して浮かせ、高周波スネアで焼き切ります。
切除した組織は病理検査を行って、病態を確認します。
ただ、ポリープのサイズや数によっては、入院して手術を行う必要がある場合もあります。また、既往症との関係で検査時の切除ができない場合もあります。事前の診察時にご確認ください。
切除後にご注意いただきたいこと
術後の回復
検査時切除を行った場合、術後数時間は回復室で過ごしていただき、医師の経過観察を待っていただく必要があります。
二酸化炭素を使用しますのでほとんど張りは残らないと思いますが、万一お腹に張りがあるようでしたら、ガスを出すようにしてください。
また、車やバイク、自転車でのご帰宅はできません。
帰宅後の注意点
当日は安静が必要です。
シャワー程度は可能ですが入浴は控えてください。
食事は、1週間程度はアルコールや刺激物、脂っこいもの、生ものなどの摂取はできるだけ控えるようにしましょう。便秘予防のため食物繊維と水分を多めに摂ってください。
当日の運動は控えてください。翌日からは軽い散歩程度ならOKです。1週間程度は激しい運動や腹部に圧がかかる運動(ゴルフ、テニス、ジョギングなど)は控えてください。
万が一出血があったら
便に多少の血が混ざることはありますので心配はいりません。ただ、大量の出血がある、出血とともに傷みがあるような場合には、夜中であっても直ちに当クリニックへご連絡ください。