手術以外の治療法

手掌多汗症の手術以外の治療法

手掌多汗症の主な治療法は以下の4つがあります。

イオントフォレーシスについて

この治療は汗が多く出る手や足を水に浸し、弱い電流を流すという治療法です。水が電気分解されて発生した水素イオンが、汗腺をブロックして汗の生成を抑制します。
利点は、問題となるような副作用はない事です。子供にも治療できますが、通電によりビリビリする感じを嫌がる子供もいます。骨折治療やペースメーカーなどで体に金属の入っている方には治療できません。
欠点は、効果に個人差がある事です。通常1回20分間の治療を週に1回、計5回受けていただきます。効く人はその間に汗が減っていきます。もし5回治療して全く汗が減らないようでしたら、それ以上続けても効果は期待できません。また治療効果は持続しません。治療をやめるとしばらくしてまた汗が出てきますので、繰り返し行う必要があります。

  • イオントフォレーシスについて
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ボツリヌス毒素注射について

ボツリヌス毒素注射について食中毒などで問題となるボツリヌス菌が作る毒素は、神経を麻痺させる作用を持っています。これを精製して人体に害がない状態にしたものを、脇や手などの汗の多い所に注射することで交感神経を麻痺させて、汗を出すのを抑えます。
1回の注射で数ヶ月から半年ほど効果が持続しますが、その後また汗がでてきます。そのため繰り返し治療を受ける必要があります。
脇の汗の治療には健康保険が適応されます。費用は3割負担で約3万円です。
手掌や足裏の多汗の治療には健康保険に適用していないため、一回約10万円の費用がかかります。

アルミニウムローションの塗布

アルミニウムローションを汗の多い部位に塗り、汗腺を塞いで汗をかくのを抑える治療です。脇の汗には有効で、約半数の方はこれだけで脇の汗が減ります。
しかし手掌や足裏の汗にはあまり効果はありません。脇に比べて、手や足の皮膚は厚いため効果が出にくいのだと思われます。
夜の寝る前に脇の汗が多い所へ塗って、朝に洗い流すだけの簡単な治療です。まれにかぶれることがあり、その場合には中止してください。